資格検定百科

記事 ARTICLE

顔写真付き身分証明書を即日発行するために受験した話

顔写真付き身分証明書を即日発行するために受験した話

コラム

みなさまは顔写真付き身分証明書をお持ちですか

私はコンサートに行く4日前に顔写真付き身分証明書が必要なことに気づいた。

というのもコンサートのチケットが紙チケット、QRコード読み取りではなく、 スマートフォンのアプリになったのだが、入場する際に度々アプリにエラーが発生しているらしく、 エラーが発生した場合は顔写真付き身分証明書で本人確認をしないと会場に入場ができない仕組みになったらしい。

しかし今、私の手元には期限が切れたパスポートしかない。
急いでパスポートの更新をしたところで手元に戻ってくるのは2週間前後かかる。
詰んだ。

もしアプリにエラーが発生したら、コンサートが見られない。
そんなのはぜっーーーーーーーたいに嫌だ。


というわけで調べてみた。



あった。

小型特殊自動車免許とは

そもそも小型特殊自動車とは
農耕作業用自動車(農耕トラクター等)・その他特殊自動車(ショベル・ローダ、ロータリ除雪自動車等)で 以下の要件に当てはまるものを指す。

・全長4.7m以下
・全幅1.7m以下
・全高2.0~2.8m以下、
・最高速度時速15km以下(農作業用は時速35km未満)

とっても簡単に言うと、農作業や雪かき、工場で使用される車の免許だ。
そもそも普通自動車免許を取得すれば運転可能

そしてこの免許の取得取得条件は以下の通り
・16歳以上
・両眼の視力が0.5以上(メガネ、コンタクトOK)
・視野が150度以上であること
・基準以上の聴力、学力、色彩識別、運動能力があること

上記条件を満たして、学科試験に合格すれば半日で顔写真付き身分証明書をゲットできる。

試験勉強3日間で取得できるのか

インターネットからの情報によると、
1.小型特殊自動車の学科教本はない
2.原付の学科教本で勉強するべし
3.小型特殊自動車は「自動車」だから少しは普通自動車の学科問題も解いておくこと

とのこと。

よーーーーーし、勉強するぞということで、とりあえず原付の学科教本を買いに本屋に走った。

 1日目

私には時間がないため買ってきた教本を今日で終わらせる必要がある。

この意味は追越し禁止である。〇か×か。


…さっぱりわからん。
ちなみに私の交通ルール学習歴は小学校の交通安全教室で止まっている。
しかしわからないと言っている暇はないので、ひたすら交通ルールを暗記した。
どうにか1冊終わらせて1日目は終了した。

標識類は今まで見たことはあっても意味が分からなかったので、覚えるのが結構楽しい

 2~3日目

1日目と異なり平日のため、会社にいかなければならない。
会社への通勤途中、お昼休憩は過去問を集めたサイト※1にアクセスし、 問題を片っ端から解きまくった。
帰宅してからは原付の学科教本、標識一覧をひたすら復習した。

ちなみに小型特殊自動車について最低でも

・小型特殊自動車の要件※2
・原付と小型特殊自動車のルールの違い(2段階右折不要等)
・小型特殊自動車と普通自動車のルールの違い(小型特殊自動車はバス専用レーンの使用OK等)

を覚えておく必要がある。

また、試験日までに物理的に以下を用意する必要がある

■物理的に必要なもの
・本籍地記載の住民票(個人番号が記載されていないもの、コピーは不可)
※外国籍のかたは全部記載の住民票(個人番号が記載されていないもの)コピー不可及び在留カード等
・申請用写真2枚
・申請に際して本人であることが確認できるもの
※健康保険証、パスポート、住民基本台帳カード、個人番号カード等
・黒のボールペン
・眼鏡・補聴器等(使用しているかたのみ)
・手数料※3(受験手数料1,500円+交付手数料2,050円)

試験当日

■受付
試験当日の朝は早い。
というのも免許センターの受付時間内※4に申請書の記入・提出までを済ませなければならないのだが、その受付時間が午前8時30分から午前9時15分の間だからだ(埼玉県の場合)
なんとか8時10分ごろに免許センターに到着し、

①申請書の受け取り
②受験手数料用の収入印紙の購入
③申請書の記入・申請書用写真、収入印紙の貼付
④窓口で申請書提出
を完了させた(この時の時刻8時45分)

ちなみにだが、小型特殊自動車の受験をする方は大変少ないらしく、必ずと言っていいほど受付等で原付と間違われるし、申請書を3度見ぐらいされる。

▲ちなみに申請書窓口はこんな感じ

■受付終了後~学科試験
埼玉県の場合は申請書の提出が完了するとすぐに視力検査、色彩識別検査が行われる。
2つの検査あわせて所要時間1分もかからない、とーーーっても短い。

そのあと試験教室に向かうが、原付と普通自動車の仮免許の方と同じ教室で、しかも試験教室内には80名ぐらいいたが小型特殊自動車を受験しに来たのは私1人だった。
試験監督官にも「えっ小特?※5もしかして顔写真付き身分証明書?」と聞かれた。

そして教室に入ってしまうとスマートフォンの使用は禁止され、試験開始までは教本しか見ることはできなくなるため、教本を持っている人は絶対に持っていくことをお勧めする。


■試験開始~合格発表
本日の受験者が全員試験教室に入ったところで注意事項が説明され、試験開始だ。
ちなみに試験時間は30分間で途中退出が可能、試験終了後30分~40分ぐらいで小型特殊自動車は合格発表がされる。

私は20分ぐらいで試験を終えて、合格発表を待った。

合格発表はこの電子案内板に合格した受験番号が表示される。
私の受験番号は「0001」である。


■免許の発行
合格した人たちは試験教室に戻り、交通安全協会の説明等を受ける。

今回はあくまで顔写真付き身分証明書のために取得しただけで、実際に小型特殊自動車を運転するわけでもないから、入会しなくていいやと思っていたが、私以外の合格者全員が入会手続きの書類に記入をしており、大変気まずくなったため、入会した。
絶対に小型特殊自動車免許の私には必要がない気がする。

この後、免許証の顔写真を撮影し、
交付手数料2,050円(+交通安全協会の入会金900円)を支払うと すぐに免許証が交付される
(ちなみに免許証を受け取った時間は11:30だった※6

総括

日程に余裕がある人はマイナンバーカード等を取得したほうが絶対に良い。

小型特殊自動車の免許取得は学科試験に落ちたら元も子もないし、合格率は50%前後らしい。
絶対に顔写真付き身分証明書をすぐに欲しいんだという 強い意志をもった人だけにこの方法をおすすめしたい。
ちなみにチケットアプリはエラーも発生せず入場できたため、 顔写真付き身分証明書を使用する場面は発生しなかった。

※1…「原付 問題」「自動車 問題」で検索をかけると問題を集めたサイトが出てくる。※2…2021年に重量要件が緩和され重量500キロから700キロになった。教本やサイトでまだ更新されていない場合があるので注意が必要
※3…収入印紙を購入する際におつりが出ないので金額ぴったりで用意したほう良い
※4…受付時間は各都道府県の免許センターによって異なるため、必ず調べること
※5…小型特殊自動車の略称、だいたい免許センターの人は小特と言う
※6…免許センターによって免許交付までの時間が異なり、丸1日かかるところもあるらしい

この記事をシェアする